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総合レビュー
本の内容・あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
引用元:新潮社ウェブサイト
感想
短編が5つ入っているので比較的読みやすかったと思います。
本の紹介文を見ると『R-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」…』なんて書いてあるので、「R-18?」なんてちょっと驚きましたが、内容は別にR-18でも何でもない…はず。
短編だからといって物語が薄いわけでもなく、ちゃんと読み応えのある内容かつ、5つの物語に少しずつ繋がりを持たせているので、次の物語を読む楽しみみたいなものも、1編読み終わるたびにありました。
前回の「52ヘルツのクジラたち」を読んで町田そのこさんの他の作品を読みたくなって購入しましたが、やっぱりこちらも同じような世界観というか世界線というか。
どうにも抗えない世界で生きていかなきゃいけなくなっちゃった人たちの強さや底力みたいなものを描きたかったのかなぁ、とぼんやり感じました。
私は「波間に浮かぶイエロー」がとても好きでした。
色んな人の優しさみたいなものが交錯してて、その描写にもすごく共感できる話だった上に、この物語の最後はちょっと想像の斜め上でしたね。読み終わった後、ちょっとぽかんとしてしまって、来たページをまた戻って読み直したりしました。
私のように、長らく読書お休みしてる方には穏やかに読める素敵な短編集なのでおすすめです。
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